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Investor Relations

CEO コメント

CEO Comments

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代表取締役
社長執行役員 グループCEO
林 郁

2025.11.13

CEO Comment Vol.84 『2026.3月期 第2四半期決算サマリー[IFRS](連結)』

中期的な成長に向けた戦略的アライアンスや、QRコード決済が順調に拡大

りそなHDとの資本業務提携強化や、KDDIグループとの決済プラットフォーム共同開発プロジェクト始動

本日の取締役会の承認を受けて、2026年3月期第2四半期決算を発表しました。

Ⅰ.  2026年3月期 第2四半期決算サマリー

2026年3月期2Q累計の連結税引前利益は、1,416百万円となりました。プラットフォームソリューション(PS)およびロングタームインキュベーション(LTI)セグメントの堅調な成長に加え、グローバル投資インキュベーション(GII)セグメントで前年同期に計上した投資評価損の反動もあり、連結税引前利益が黒字転換しました。

当社グループの事業基盤である決済プラットフォームを軸とした、PSセグメントの2Q(単体)税引前利益は2,257百万円、前年同期比マイナス3%となりました。これは、前年同期の一過性収益の反動を受けたものであり、一過性要素を除いた実質成長率は17%と堅調な成長を維持しています。
なお、決済事業においては、インバウンド消費減速の影響を受ける中、直近12ヶ月間の決済取扱高が初めて8兆円を突破しました。さらに、りそなHDとの資本業務提携強化によるSME向けデジタル金融事業への参入、KDDIグループのauフィナンシャルサービス株式会社と共同開発中の決済プラットフォーム「NESTA」、DGFTの共同QRコード決済プラットフォーム「Cloud Pay」シリーズのIoT市場への導入拡大など、下期以降に期待を残す状況です。

カカクコムの持分法投資利益と新規事業群で構成されるLTIセグメントは、税引前利益が1,288百万円、前年同期比25%の利益成長となりました。カカクコムの持分法利益は微減となったものの、カカクコム経由の決済取扱高は継続的に拡大しています。また、戦略事業のうち「アプリペイ」「Musubell」等複数事業が成長フェーズに移行し先行損失が縮小したことも受け、セグメント全体で増益となりました。

GIIセグメントは、投資ポートフォリオの売却、オフバランス化を継続して推進しています。これにより中計5ヶ年KPIである「投資事業収入300億円」に対する進捗率は51%と加速しています。また、投資先スタートアップとの連携による事業リターンの創出にも注力しています。

以下、2026年3月期2Qの決算サマリーのスライドです。

こちらは連結業績と各セグメント利益の内訳です。

また、以下スライドは基礎事業収支の推移(投資関連収益および一過性の損益要因を除いた経常的な事業収支)を示しています。

Ⅱ.  DG FinTech Shift 2.0の進捗

<りそなHDとの資本業務提携>

戦略パートナーであるりそなグループとの戦略的関係のさらなる強化・深化へ向け、りそなHDとの新たな資本業務提携契約を締結しました。(2025年7月公表)今後、当社グループの強みである「決済とテクノロジー」と、りそなグループの強み「金融の信頼性と広範な顧客基盤」といった両社の経営資源をさらに融合させ、テクノロジーによって激変するFintech領域でのアライアンスの核を形成していきます。

当社とりそなHDは2022年11月に最初の資本業務提携を締結。まず決済/次世代Fintech領域における協業から開始し、りそなグループが有する日本最大級である約50万社の法人顧客基盤へのアプローチ強化や、次世代決済アプリケーションの共同開発、スタートアップ投資やオープンイノベーション事業など着々と提携領域を拡大してきました。さらに、当社とりそなHDの共同出資による合弁会社を軸にSME向けBaaS/デジタル金融事業の共同開発を推進、「決済事業に次ぐ収益基盤の確立」を目指します。

以下、りそなグループとの協業についてのスライドです。

<KDDIグループとの協業の進捗>

以下のような3つのカテゴリーにおいて共同で事業推進しております。

1. KDDI主力通信事業への「NESTA」導入
当社とKDDIグループのauフィナンシャルサービス株式会社の業務提携契約締結(2024年5月)以来共同開発を進めてきた、次世代決済プラットフォーム「NESTA」は計画通りに進捗しており、第一弾カットオーバーとして、au/UQ mobile法人契約の通信料金決済への導入プロセスが開始しました。本件事業を通じ、数兆円規模の決済取扱高の取り込みを目指しています。

2.共同営業によるau経済圏の取組拡大
au経済圏と当社グループの決済基盤を連携させる「NESTA」は、今後、KDDIグループ内のさまざまなサービスへの導入や、KDDIグループ外の法人企業への展開も予定しています。さらに、両グループの経営資源を融合させた新たなサービスの共同開発も推進していきます。

3.新たなビジネスの共同開発・展開
DGグループとauフィナンシャルグループの経営資源の融合による新規サービスの共同開発と、幅広い金融領域における協業の検討を推進します。
この次世代プラットフォームに最先端のテクノロジーを集結させ、安心・安全で確実な決済を実現させるとともに、今後、まずはKDDIグループの通信やEC事業等の「au経済圏」を中心に決済プラットフォームの共同提供を本格稼働し、第2弾として、「au経済圏外」へと拡大していく予定です。本年度中の本格稼働に伴い、詳細は別途リリースを予定しております。

以下、auフィナンシャルサービス(KDDIグループ)との提携の進捗についてのスライドです。

※なお、KDDIは2018年以降、カカクコムの第2位株主でもあります。

<各セグメントにおける事業進捗>

上記戦略パートナーとの協業に加えて、各セグメントにおいても事業が進捗しております。セグメント別に事業ハイライトをご説明します。

以下、事業Overviewのスライドです。

【PSセグメント】

決算サマリーでも触れた通り、DGFTが提供する、日本最大級のQRコード決済バンドルサービス「Cloud Pay」(特許番号:第7303664号)シリーズの導入先が拡大しています。
世界最大級の決済プラットフォーム「Square」への実装(2024年9月)を皮切りに、大規模なゲート式から設備コストを抑えた小規模型まで幅広い駐車場での導入や、自動サービス機向け決済端末「Nayax」への実装、さらに、現金支払機器と連携する「Cloud Pay レジ」など、多種多様な業態を含むIoT市場への導入が加速しています。

また、2025年5月、当社グループはPhi Commerce Private Ltd.へ出資参画、DGFTとの業務提携契約を締結しました。同社はインドの中央銀行からライセンス認定を受けた信頼性の高い決済事業者であり、インド決済公社運営のカードブランド「RuPay」など、国家レベルの決済システムにおける実績を有しています。このPhi Commerceの高度な技術力を当社の戦略事業と連携していきます。

以下、PSセグメントOverviewについてのスライドです。

2025年4月、当社グループのDX系3社を統合、AI時代に最適化した戦略会社として、株式会社DGビジネステクノロジー(DGBT)を始動しました。AIやデータサイエンスの先端技術と、マーケティング支援メソッドを融合し、DGFTとの両輪体制で対面・非対面双方のデジタルビジネス企業の事業成長を支援します。
また、DGBTは当社グループとりそなグループの提携において、50万超の法人顧客のデジタル課題解決へ向け、協業推進のハブとしても機能していきます。

2025年8月には、企業のマーケティング業務を効率化するハイブリッド型AIパッケージ「DG AI Drive」の提供を開始しました。本サービスには、当社GIIセグメントの投資先スタートアップの技術を活用しており、このようなグループシナジーのもと、今後より幅広い企業へ向けたAI活用プラットフォームへと進化させていきます。

以下、DGBTによるソリューション拡充に関するスライドです。

【LTIセグメント】

当社が2023年より提供している国内最大級のアプリ外課金プラットフォーム「アプリペイ」が、2025年9月、世界70以上の国・地域に展開するCoda Payments Pte. Ltd.と提携し、グローバル対応を開始しました。
アプリ事業者に代わり法的な販売主体を担うMoR(Merchant of Record)として、各国・地域での法令対応、決済代行、税務申告など多岐にわたる業務を一気通貫で提供し、グローバル展開を支援します。

グローバルサービス導入第一弾として海外版「モンスターストライク」にもサービス提供開始するなど、拡大を続けています。背景には、大手プラットフォーマーと比較した経済合理性/手数料の優位さを基盤として、ゲームのグローバルエコシステムが、日本から海外へ、海外から日本へという双方向の時代に進化し、また、テクノロジーに目をやると、AIがもたらすゲームとAIエージェントの融合の時代がはじまりつつあります。加えて2025年12月にはスマホ新法の施行も控えており、行政を含む数多くのステークホルダーの方々よりご相談をいただいております。
QRコードやクリプトビジネスに続く、「非連続の決済ビジネス」としてグローバルの視点で成長させていきたいと思います。

以下、アプリペイグローバルサービスの始動についてのスライドです。

次に、カカクコムとのグループ連携です。日本有数のトラフィックを背景に決済取扱高が引き続き拡大しています。また、両社のアセットを融合した協業ビジネスを推進しており、DGFTの決済ソリューションと食べログインバウンド予約の取り組みに続き、国内最大級の不動産DXプラットフォーム「Musubell」とカカクコムの不動産メディア「スマイティ」において、新たな不動産売却マッチングプラットフォームの構築を目的とした協業に取り組んでいます。

以下、カカクコムとのグループ連携についてのスライドです。

33社のメディアグループが参画する「クオリティメディアコンソーシアム」を運営するBI.Garageでは、2025年10月、AIトラフィックからのコンテンツ価値保護を支援するプラットフォーム「TollBit」の国内提供を開始。メディアとAIの公正な共存を目指し、国内有力媒体社向けに普及推進していきます。また、DGFTと連携し、「TollBit」におけるステーブルコイン決済も視野に入れ、準備を始めています。

以下、LTIセグメント戦略事業の進捗についてのスライドです。

【GIIセグメント】

中期経営計画で掲げた5ヶ年目標「投資事業収入300億円」に対し、現時点で進捗率50%超にあたる152億円を達成しました。今後も営業投資有価証券のオフバランス化を加速させ、目標の前倒し達成を目指します。

さらに、スタートアップ企業との事業共創によるシナジーを通じたビジネスリターンの創出にも注力しています。この方針のもと「事業共創部」を設置し、GIIセグメントの投資先とPSセグメント事業の連携事案の創出に取り組んでいます。

以下、GIIセグメントOverviewのスライドです。

Ⅲ. スタートアップイベントとカンファレンス

当社主催のもと2005年より東京とSan Franciscoで開催してきた「NEW CONTEXT CONFERENCE(NCC)」も27回目となり、設立30周年を飾るメモリアルなイベントになりました。
今回は「グローバルデジタル社会で日本が目指す未来 〜Zen AIとBlockchainが創る新しいDigital Architecture〜」をテーマに、国内外の有識者とともに、AIの時代に日本が貢献できる様々な領域の議論を深めました。

 以下、「NCC TOKYO 2025 Summer」公式サイトと、各セッションの動画をご覧いただけます。

https://ncc.garage.co.jp/2025summer/

また、2010年より日本初のシードアクセラレータープログラムを運営する「Open Network Lab(Onlab)」も15周年を迎え、2025年6月に「Open Network Lab 15th Anniversary Party」を開催しました。「世代をつなぐ、挑戦を讃える」をコンセプトに、Onlab卒業生、歴代メンターなど約200名が一堂に会し、卒業生起業家たちの挑戦を讃え、起業家同士がつながる一大コミュニティへと成長しました。

以下、Onlabのブログで当日の模様をご覧いただけます。

https://onlab.jp/journal/onlab15th-anniv

IV. サステナビリティの取組み

2025年10月に統合報告書「DG Integrated Report 2025」を発行しました。
当社グループの戦略ストーリーを示すため、財務・非財務情報を統合的にまとめたものであり、さらに今回は設立30周年という節目にあたり、常に時代の変化を先取りし、テクノロジーと共に歩んだデジタルガレージ30年の軌跡を軸として示しています。

当社はこれからもコンテクストカンパニーとして、パーパス「持続可能な社会に向けた“新しいコンテクスト”をデザインし、テクノロジーで社会実装する」のもと、テクノロジーに果敢に挑み、企業価値の最大に務めるとともに、その挑戦から生まれる成長の果実を社会還元することを通じ、持続可能な社会に貢献していきます。
ステークホルダーの皆様には、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

統合報告書「DG Integrated Report 2025」にて詳細をご確認ください。