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Investor Relations

CEO Comment Vol.61 『2016.6期第2四半期決算サマリーとDG Lab構想について』

 本日の取締役会で承認の上、2016.6期第2四半期決算短信を発表しました。また、同時に新たな事業の柱となる技術シーズを発掘する目的で、実践的研究開発組織「DG Lab」を発足致しますのでご報告いたします。また、それに連動して米国でアジャイル開発関連事業を手がけてきた子会社のNeo社を業界最大手のPivotal Software社に売却し、事業のストラクチャーを変更しましたのでご報告します。

2016.6期第2四半期決算サマリー

 2016.6期第2四半期(累計)は、売上高19,843百万円(前年同期比10.9%増)、営業利益1,626百万円(同6.4%減)、経常利益2,694百万円(同22.2%減)、四半期純利益1,796百万円(同48.8%減)と増収減益となりました。最終減益は、前年同期の関係会社株式の一部売却に伴う特別利益が無くなったことが要因です。また、当社のインキュベーション事業の特性(特に株式売却益)から、株式売却タイミングによって四半期ベースの収益はボラタイル致しますが、本第2四半期決算は、社内予算を上回って着地しております。また、通期の業績予想についても、変更はありません。

【インキュベーションテクノロジー事業(IT)】

 変化のスピードが著しいインターネット産業においても、現在は技術変化の波が一段と大きくなると認識しており、特に、FinTech、AI、VR等の領域に積極的に投資を行っております。本四半期末の投資残高は、131億円、そのうち87億円を海外投資に振り向けております。
 既に発表いたしました、ブロックチェーン技術開発のBlockstream社への出資はその第一弾です。
ご参考:ニュースリリース「デジタルガレージ、ブロックチェーン技術開発のBlockstreamに出資 FinTech関連プロダクトの実証実験で連携へ」

 また、USアジャイル開発子会社NEO社の事業をUSアジャイル開発大手のPivotal software, Inc.に売却し、グループ開発リソースの効率化も進めております。本件は、後述するDG Lab構想の一環で、年間コストを4億円程度削減し、オープンプラットフォームでの次世代インターネットサービスの開発に注力してまいります。
ご参考:ニュースリリース「デジタルガレージ、ソフトウェア開発を手がける米国子会社の事業をシリコンバレーのクラウドソフトウエア大手Pivotalに売却」

【マーケティングテクノロジー事業(MT)】

 当社の得意とする運用型広告、特にパフォーマンスアド事業が引き続き好調に推移しております。特に、デバイスのスマートフォンシフトが著しく、アプリ広告、インフィード広告を中心としたスマートフォン領域の売上高は、前年同期比2.3倍の17億円と業績を牽引し始めております。一方で、今後の事業の柱とするべく、ビッグデータ関連事業への展開も加速しております。大手カード会社とのアライアンスによるDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)事業に加え、日本最大規模の購買行動データベースを保有するカスタマー・コミュニケーションズとの資本提携により、次世代マーケティングソリューションを提供していきます。
ご参考:ニュースリリース「デジタルガレージ、カスタマー・コミュニケーションズと資本業務提携 マーケティング事業での連携を推進

【フィナンシャルテクノロジー事業(FT)】

 第2四半期の連結業績を牽引したのは、FT事業です。前期に香港のセグメントHQであるecontext ASIA社を完全子会社化し、意思決定スピードの加速化やリソースの重点配置効果が奏功し始めています。KPIである、当上期の決済取扱高は、前年同期比19.3%増の5,622億円と拡大し、2015年暦年で初めて、1兆円を突破することができました。四半期営業利益は、同42.4%増の843百万円と大幅増益を達成しました。FTセグメントは、今後最も注目される「FinTech」そのものであり、テクノロジードライブで次世代金融サービスを創造していきます。

【DG Labのグランドデザイン】

 前述したように、技術の進化がさまざまな分野において加速していく今後は、数年後の事業展開を見据えながら最新の技術トレンドを取り込んだ研究開発を行う重要性が増します。また、インターネットによって生まれたオープンイノベーションの波が、ハードウエアやバイオテクノロジーまで巻き込んでいくため、自社ですべての技術を開発し事業化することを目指す従来型の研究開発よりも、社内外にとらわれずすぐれた技術をいち早く発掘しその技術をコアに事業を立ち上げていく、オープンプラットフォーム型の研究開発の方が、技術進化の波にしなやかに対応できるようになりました。

 こうした時代の変化をとらえ、DGグループの新たな事業の柱となる事業の芽を技術シーズから育てることを目的とし、新たな研究開発組織「DG Lab」を発足することにしました。DG Labは、今後さまざまな事業の基盤になることが期待できる「ブロックチェーン」「人工知能」「VR/AR」「セキュリティ」「バイオテクノロジー」を重点分野とし、これらの分野において高いレベルの技術を持つ国内外の投資先企業と連携して、DGの新たな事業の柱となるプロダクトやサービスを生み出すことを目指します。

 例えばブロックチェーン分野では、前述したBlockstream社の技術を利用し、DGIの出資先である弁護士ドットコム株式会社と連携して、日本の商習慣に最適化したスマートコントラクト・システムを開発することを検討しています。このほか、デジタル通貨や各種ポイントサービスなどを利用可能な次世代決済プラットフォームの開発をクレジットカード会社や銀行とコンソーシアムを組織しながら進めることなどを予定しています。このほかVR/AR分野でも出資先の技術を活用した新たなサービスの開発について検討を始めているほか、セキュリティ分野においても、スマートフォン向けツールの開発に着手しています。

 加えて、こうした技術開発と表裏一体の関係にあるクリエイティブ分野では、2016年2月に著名クリエイターのレイ・イナモト氏が立ち上げたグローバルブランドの支援企業Inamoto & Co.にリード出資を行いました。創業者のレイ・イナモト氏は、大手デジタル・エージェンシーのAKQA社に、2004年から2015年秋までChief Creative Officer(クリエイティブ最高責任者)として勤務し、同社の飛躍的な成長に貢献しました。グローバルなマーケティング業界の第一線で活躍する日本人としては稀な存在です。今後は、 Inamoto &Co.と密接に連動し、DG Labによる技術開発やこれまで取り組んできたデータサイエンス事業と組み合わせることで、「デザインXデータX技術」による新規事業の立ち上げを進めていきます。

 株主の皆様におかれましては、より一層のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。