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Investor Relations

CEO Comment Vol.65 『2018.3月期決算サマリー』

 本日の取締役会での承認の上、2018.3期決算短信を発表しました。また、国際財務報告基準(IFRS)の任意適用についても開示しましたのでご報告します。
 以下が2018.3期決算サマリーとなります。

Ⅰ. 2018.3期決算サマリー

■全体概要
 2018.3期は、売上高60,168百万円、税金等調整前当期純利益(税引前利益)7,619百万円、親会社株主に帰属する当期純利益(当期純利益)5,460百万円となりました。当期純利益は、9期ぶりに過去最高益を更新することができました。当期は、前期が決算期変更による9ヵ月の変則決算のため、前期を年換算した数値に比較(前期比)し、売上高24%増、営業利益2.4倍、税引前利益は14%増、当期純利益は16%増となります。

■事業セグメント別概況

MT(マーケティングテクノロジー事業)は、スマートフォン/アプリ領域を中心にパフォーマンスアドが牽引、特に第4四半期に金融機関向けが前年同期比50%増と好調に推移し、前期比37%税引前利益増益と高成長が続いております。FT(フィナンシャルテクノロジー事業)もKPIである決済取扱高は、1.5兆円と前年同期比20%増加し、Eコマース市場全体を大幅に上回る成長が継続しています。主力のEコマース領域に加え、戦略的に注力している非EC領域である対面決済や現金チャージ/仮想通貨取引所向けの送金が急拡大しております。IT(インキュベーションテクノロジー事業)は、一部売却予定ポートフォリオの期ずれにより期初予想に未達ながら前期比30%増となりました。LTI(ロングタームインキュベーション事業)は、長期的な投資育成と継続的な事業利益を追求する成果として、カカクコムの業績が順調に拡大したことや新規事業でライフデザイン分野やヘルスケア領域での準備を進めております。

 以下、事業ハイライトです。

Ⅱ.2019.3期連結業績予想

~IFRSの適用を開始~
 2019.3期は、「国際財務報告基準(IFRS)の任意適用のお知らせ」で開示しました通り、2019.3期期末決算より、IFRSの任意適用へ移行いたします。DGグループは、ITにおいて投資価値を公正価値評価を行うことにより適切にB/Sに計上すること、MT、FTにおいては、収益の純額表示を行うことにより、より収益実態を明確に反映すること、国際的な収益比較可能性の観点での移行と考えております。

 2019.3期(IFRS)は、収益33,500百万円、税引前利益9,000百万円、当期純利益6,200百万円と見込んでおります。2018.3期と会計基準が異なるので単純比較はできませんが、収益は、MT、FT、ITとも収益が純額表示に変更されるため減収となる見込みです。利益面では、ITは、期末公正価値評価が不確定であるものの株式売却益を評価益見合いとの前提です。MT、FTはともに前期に引き続き実質二桁成長を見込んでおります。期末配当は、年間28円/株と4円/株の増配を予想しております。
 以降は、DGグループのマイルストーンとなる直近の動きと今後の方針についてご説明します。

Ⅲ. 事業セグメントや戦略プロジェクトハイライト

<ITセグメント:投資育成事業のグローバル展開を本格始動>

 ITセグメントでは、北米と日本、アジア、欧州をつなぐインキュベーションストリームをさらに強固なものとし、デジタルガレージの海外投資事業を拡大させていきます。サンフランシスコ、東京、パリの3拠点をつなぐAI関連スタートアップの支援スタジオAll Turtles社や、香港を拠点としアジアにネットワークを持つスタートアップ支援企業のMind Find社などに加え、北欧の有力スタートアップ企業の創業者らが集まり組成したファンドであるbyFoundersとの連携を開始しました。日本、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、さらに北欧をつなぐGlobal Incubation Streamを構築し、次世代を担うスタートアップ企業をいち早く発掘し、投資、事業育成を行う体制を一層盤石なものとしてきています。
 国内においては、日本有数の起業家支援プログラムとして評価を得ている「Seed Accelerator Program」を展開するOpen Network Labの全国展開を通じて、地方都市におけるスタートアップ育成事業も強化します。その第1弾として北海道新聞社と共同で、2018年4月に「Open Network Lab HOKKAIDO」を始動しました。

 Open Network Labがこれまでの8年間の活動で培ったノウハウやグローバルな起業家ネットワークと、北海道新聞社のメディアネットワークを強みとしながら、北海道内の大学や企業との連携することで、北海道のスタートアップシーンの活性化を目指します。
 2018年秋にはサンフランシスコのインキュベーションセンターDG717の開設5周年記念も兼ねて、インキュベーションストリームを通じて世界各地から招待した選りすぐりのスタートアップ企業を投資家にお披露目するイベントを開催することを予定しています。今後Open Network Labは、DGが構築するGlobal Incubation Streamと連携し、東京から地方、世界各地のスタートアップ育成に寄与し、エリアや分野の垣根を超えて様々な軸で、更に展開を加速させていきます。

<FTセグメント:公金決済事業を拡大>
 前述の通りFTセグメントの業績は税引前利益で対前年度比 29%増を達成しました。この好調さを維持しつつ今期は、税金、保険料などの公金を扱う決済事業に更に傾注していきます。イーコンテクストは国税庁と「QRコードを利用したコンビニエンスストアにおける国税の納付受託業務」について随意契約を締結します(随意契約に関する公示)。全国のコンビニエンスストアで、QRコードを使い事前登録せずに国税を支払えるサービスのシステムを提供します。

 デジタルガレージは、コンビニでのキオスク端末を利用した現金決済の先駆けとして2000年にイーコンテクストを立ち上げました。イーコンテクストはすでに、大阪府における各種行政事務手数料のコンビニ収納業務を受託しているほか、ベリトランスは、国民年金保険料カード納付のためのカード決済サービスを厚生労働省に提供しています。国税の納付業務を今回受託したことで、コンビニ決済が人々の生活に欠かせないインフラとなったことを再認識しました。そのインフラの一翼を担う事業者として、これまで以上に身を引き締めてサービスの安定稼働とユーザビリティーの向上に努めていく所存です。

<MTセグメント:パフォーマンスアドとO2Oマーケティングを軸に>
 MTセグメントは、パフォーマンスアドを基盤としながら、税引前利益で対前年度比37%増と高成長を続けています。データマーケティング事業では、カカクコムグループのデータとソーシャルメディアのデータをクロスした広告商品の販売が順調に拡大し始めています。今後は他のデータ提供者とも共同でより強固なサービスへと成長させていきます。
 また本日、アイリッジとの資本業務提携を発表しました。DGがアイリッジの外部筆頭株主(小田社長に次ぐ)になり、併せてMTセグメントのビジネスデザインカンパニーを法人化して、アイリッジとの共同持ち合い会社にします。アイリッジの持つ多くのアプリ開発実績(プッシュ通知、クーポン、ポイント、解析、連携)と、ビジネスデザインカンパニーがこれまで培ってきたウェブとリアルを融合した総合的なプロモーションのノウハウを融合することで、アプリX流通チャネル、アプリX位置情報、アプリX決済等のO2O(オンライン to オフライン)プロモーションが可能になり、デジタルマーケティングの新しい地平を切り開いていきます。アイリッジとは、グループ会社のDGコミュニケーションズへの資本参加(14%)を通じて、デジタル技術の進化で変化が著しい不動産領域、アプリやマーケティング領域でも協業していきます。

<DG Lab:ブロックチェーン普及元年に備える>
 カカクコム、クレディセゾンと2016年に立ち上げた研究開発組織DG Labは、事業フェーズの取り組みがいよいよ本格化しています。ブロックチェーン分野では、弁護士ドットコムと共同で、りそな銀行と個人向けローン業務の効率化を実現するスマートコントラクトシステムの実証実験を開始しました。今回の実証実験は、仮想通貨ビットコインに用いられているブロックチェーン技術を活用した国内初の開発事例となります。また銀行間取引市場・オープン市場で仲介・媒介業務を手がける東京短資と、ブロックチェーンや人工知能を活用した新たなフィンテック事業の創出に向け提携しました。
 ブロックチェーンの特徴は、インセンティブを与える仕組みが組み込まれており、この仕組みを適性に維持するエコシステムがある限りはリソースが枯渇する心配がない点にあります。こうしたアイデアを借りたさまざまなブロックチェーンの派生技術が登場して業界を賑わせていますが、その本命はビットコインで実証済みのブロックチェーン技術であると確信しています。ビットコインのブロックチェーン技術を活用するプラットフォームの開発に取り組むBlockstream社を、我々が戦略業務提携先に選んだ理由もそこにあります。
 実際、Blockstream社の事業は着実に拡大しています。2018年1月に、ニューヨーク証券取引所 などを傘下に持つインターコンチネンタル取引所と仮想通貨データの提供に関して提携しました。今回の提携に基づきBlockstream社は、世界15以上の仮想通貨取引所から、ビットコインや他の主要仮想通貨の価格やオーダーブックなど広範な情報を収集し、インターコンチネンタル取引所にリアルタイムに提供しています。今年後半から来年にかけては、Blockstream社とDG Labの連携で様々なビジネスが立ち上がることで、ビットコインのブロックチェーン技術の普及元年になると確信しています。
 こうした時代の到来に備えDGは、日本のブロックチェーン技術力の底上げを図る活動も継続しています。ブロックチェーン関連の技術開発を世界レベルでリードする立場から、DGは2018年10月に東京開催されるビットコインの国際会議「Scaling Bitcoin」の運営にLSO(Local Support Organization)として参画します。DGは今後もあらゆる側面からブロックチェーン業界の成長に今後も寄与していきます。

 DGの共同創業者でMITメディアラボ所長を務める伊藤 穰一がホストとなりDG Labが主催する「THE NEW CONTEXT CONFERENCE」は、6月19日に東京で開催します。最先端のインターネット技術やその周辺で生まれるビジネスに関心のある方々を対象としたこのカンファレンスは、2005年の初開催から今回で17回目となりました。
 今回は「テクノロジーの進化がもたらすレギュレーション維新 〜Governance of Regulations and Innovations〜」というテーマのもと、技術革新を生み出す企業やスタートアップが規制とどのように向き合っているのか、一方で規制当局は進化し続けるテクノロジーに対しどのような取り組みを進めているのかについて、各分野の第一線で活躍する国内外の研究者、起業家、有識者などを集めて議論します。金融、医療、メディアといった様々な分野から、新技術を持つ企業や規制当局からスピーカーを招き、AI(人工知能)、ブロックチェーン、バイオテクノロジー、5Gといった新しい技術を社会に浸透させていくための、これからのルールづくりを考えます。また、マーケティングやヘルスケアなどで利用される個人データの管理・活用のあり方、メディアの中立性を担保するためのルールづくりについても取り上げる予定です。

 2年後の2020年、デジタルガレージは設立25周年を迎えます。東京オリンピックが開催され、世界から東京に注目が集まる年です。DGグループは、これからもファーストペンギンとしてあり続け、これまで培ったインキュベーションのノウハウ、グローバルネットワーク、DG Labにおける研究成果等を活用した更なる技術革新を通して、社会に貢献していきます。
 株主を含むステークホルダーの皆様におかれましては、より一層のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。