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CEO Comment Vol.73『2021.3月期決算サマリー〔IFRS〕(連結)』
本日の取締役会での承認の上、2021.3月期決算短信〈IFRS〉を発表いたしました。
期初から新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けながらも、グループを挙げて、FinTech/DXシフト戦略を明確にし、主力のフィナンシャルテクノロジー事業が過去最高益を更新したほか、インキュベーションテクノロジー事業においては、パンデミックによりグローバルなDX化が急速に進展し、投資先の公正価値が大幅に上昇し収益を牽引しました。
以下2021.3月期決算サマリーです。
2021.3月期連結経営成績については、収益40,478百万円(前期比9.6%増)、税引前利益14,317百万円(同43.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益9,786百万円(同31.9%増)と重視する経営指標である税引前利益は過去最高益を更新することができました。フィナンシャルテクノロジー事業は、旅行/インバウンド需要において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたものの、ECの市場規模拡大に加え、国内新規決済手段の充実を図り固定費の増加を吸収し増収増益。マーケティングテクノロジー事業は、主力のデジタルプロモーション事業は堅調に推移したものの、不動産販売・小売業等のプロモーション需要が急減しました。また、オフィス集約等の事業構造最適化コストも計上いたしました。インキュベーションテクノロジー事業において、営業投資有価証券の公正価値が大幅に拡大しました。ロングタームインキュベーション事業については、新型コロナウイルス感染症拡大による外食・娯楽関連等の消費自粛や事業者の休業等による収益減少の影響を受けました。
以下、セグメントレビューとなります。
<FT>フィナンシャルテクノロジー事業
2021.3月期のFTセグメントの収益は、前期比12%増収、税引前利益は同2%増益の4,118百万円とシステム投資等による固定費増を吸収し、過去最高の業績を達成いたしました。KPIである決済取扱高は、前期比18%増の3.1兆円、決済取扱件数は、同35%増の6.6億件と好調に推移しました。旅行・インバウンド関連の取扱高は、前期比75%(約1,900億円)減と急減となりましたが、昨年度の旅行・インバウンド取扱高を加味すれば、実質取扱高は25%程度の成長と分析しています。反面EC市場拡大スピードが上がり国内QRコード決済やテイクアウト・デリバリー等のモバイルオーダー事前オンライン決済等の新規決済取扱いも伸長しました。
2021年4月1日、主力決済子会社「ベリトランス株式会社」と「株式会社イーコンテクスト」の経営統合を実施、新たに「株式会社DGフィナンシャルテクノロジー」として、グループ戦略<DGフィンテックシフト>を推進していきます。25年にわたる投資インキュベーションのネットワークを活用し、事業者に対する決済支援、マーケティングにおける決済加盟店/決済事業者に対する広告/DX/CRM支援を一層加速させていき、FTセグメントの決済取扱高(GTV)を拡大させ成長性と収益性を高める戦略です。
決済事業主力子会社2社の歴史とDGフィンテックシフトに始まるDGフィナンシャルテクノロジーのコンセプトをまとめたクリップをご覧ください。
<MT>マーケティングテクノロジー事業
2021.3月期のMTセグメントの収益は、前期比15%減収、税引前利益は同60%減益の735百万円となりました。主力のデジタルアド事業の取扱いが前期比9%増と堅調に推移しました。特に通信キャリア決済・カード等の金融向けのキャッシュレスプロモーションにおいては、前期比30%増と好調に推移し、フィンテックシフトを実現しています。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、不動産業・小売業等のプロモーションが延期・中止したこと等により全体の広告取扱高は減少しました。また、オフィス拠点集約等の事業構造最適化施策を推進したこと等により費用が発生し減収減益となりましたが、2021.3月期2Qを底に利益回復トレンドとなっています。
MT事業は、新たな戦略事業が着々と育ってきています。特に、以下の2事業については中長期的な成長事業として展開を加速していきます。
(1)ポストクッキー時代の広告事業において重要な役割を担うBI.Garageは、欧州の有力データプラットフォーマー1plusXとともに、次世代の広告プラットフォーム開発に着手しています。1plusXが有する、GDPRやCCPAなど欧米の厳しいプライバシー規制に準拠したプラットフォームを用い、国内28社の有力メディアが組成するコンテンツメディアコンソーシアムの商品として、コンテクスチュアルアドの販売をいよいよ開始します。
(2)昨年7月に発表した不動産契約一元管理サービス「Musubell」は、新築不動産売買契約時に売主、顧客双方にかかる負担を低減する、不動産DXの新領域を開くサービスです。サービス開始以降様々な企業の導入が進んでおり、この春以降新たなサービスを開始する予定です。
<IT>インキュベーションテクノロジー事業
2021.3月期のITセグメントの収益は、前期比136%増収、税引前利益は同188%増の10,264百万円となりました。投資先のファイナンスによる公正価値の増加や国内IPO銘柄3社および海外上場銘柄等を中心に売却したこと等により営業投資有価証券に関する収益は前期比174%増の11,031百万円となりました。また、ITセグメントの重視する指標である貸借対照表価値、つまり営業投資有価証券価値は、47,170百万円と前期末に比較し106億円増加しております。
なお、特に北米エリアに関してはThredUpとCoinbaseがナスダック上場を果たす等、DX/FinTech先進企業への戦略出資が奏功しております。DGもシリコンバレーインナーサークルの一員として積極的な投資活動を行ってきた投資先が大きく成長し、投資回収の時期を迎えています。さらに、近年注力してきているアジア地域、特にインドにおける投資活動も着実に実を結びつつあります。引き続き日本、アジア、北米エリアにおけるDX/FinTech/社会課題解決ベンチャーを中心に投資インキュベーションを実行し、ESGインパクト投資も積極的に展開していく予定です。
<LTI>ロングタームインキュベーション事業
2021.3月期のLTIセグメントの収益は、前期比25%減収、税引前利益は同44%減の2,653百万円となりました。持分法適用会社である㈱カカクコムが、新型コロナウイルス感染症拡大により外食・旅行系中心に影響を受け減益も、価格.com事業のショッピング事業、新興メディア・ソリューション事業の求人ボックス事業、及びファイナンス事業は引き続き好調に推移しました。今後も様々な生活シーンにおいて役に立つサービスを創出し、新たな価値提供を継続していきます。
その他、育成中の暗号資産事業・デジタルヘルス事業領域では以下の通り着実に事業が進捗中です。
(1)Crypto Garageは、「DGフィンテックシフト」に関連する複数の戦略的プロジェクトを実行中です。「SETTLENET」は内閣府のフィンテックサンドボックス第1号事業として実証実験を経て、法人間取引向けDvP決済サービスの開始に向け、国内外の有力事業者とのシステム接続を進めています。
(2)ブレインスキャンテクノロジーズの脳MRI受診件数は昨年比2.4倍の約2万件となり、通期黒字化も達成いたしました。引き続きDGグループが有するAI関連技術等との連携を通じたサービス開発を視野に、事業を成長させていきます。
DGグループの決済事業は、インターネット黎明期より20年にわたり様々な「国内初」となる取り組みに挑戦しながら、安心・安全な決済インフラを提供してきており、現在年間取扱高約3兆円、年間決済処理件数約6億件の決済処理を担う、国の重要インフラ指定企業に成長しました。これまでのPSP事業に加え、DGグループが有する様々な技術やデータを活用した次世代のサービス開発に向け、この度、決済とデータを融合したグループ戦略「DGフィンテックシフト」を始動しました。
DGグループは、「DGフィンテックシフト」の元、これまでの緩やかな連邦型経営から、FTを軸としたリカーリング型経営にシフトします。DGグループのコアとなるリカーリング事業として名実ともに再定義します。グループが有する豊富な事業やサービスと、DGFTが有する、24/365の安定稼働に裏打ちされた強固な決済基盤を組み合わせ、様々な決済サービスの開発や、データを活用した次世代事業への進化を通じ、より欠かすことができない社会インフラとして、持続可能な社会の発展に貢献していきます。
データと決済を融合したグループ戦略「DGフィンテックシフト」のコンセプトと、呼応する各事業のアライメントについてクリップにまとめました。ぜひご覧ください。
創業から一貫して使ってきた「インターネット時代の世の中に役立つ『コンテクスト』を創る」というコンセプトを、ESG時代にふさわしいパーパスに進化させます。
コーポレートスローガンは、「New Context Designer DG」と新たに設定し、「持続可能な社会に向けた『新しいコンテクスト』をデザインし、テクノロジーで社会実装する」という企業パーパスを胸に、思いを新たに次なる25年に向け走り始めました。
株主を含むステークホルダーの皆様におかれましては、より一層のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。