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Investor Relations

CEO Comment Vol.79 『2024.3月期第1四半期決算サマリー[IFRS](連結)』

中計初年度の第1四半期は、為替の反動減を受けるも事業は順調な滑り出し

DG FinTech Shiftの戦略的イニシアティブ/新規事業群も順次始動

本日の取締役会の承認を受けて、2024年3月期 第1四半期決算短信[IFRS]を発表しました。

Ⅰ. 2024年3月期 第1四半期決算サマリー

 2024年3月期第1四半期の経営成績は、収益13,187百万円(前年同期比25.6%減)、税引前四半期利益6,179百万円(前年同期比44.8%減)となりました。前年同期と同様に外国為替相場が円安傾向で推移しましたが、為替による外貨建て有価証券の公正価値評価益が前年同期を下回ったこと等から、連結業績としては減収減益となりました。

 一方で、当社グループにおける事業基盤であり、継続した利益成長が見込まれるプラットフォームソリューション(以下、PS)では、新型コロナウイルス感染症の収束を受け、旅行や外食関連を中心に決済取扱高が前年同期に比べ伸長したほか、アライアンス戦略により対面決済領域における加盟店開拓が進捗したこと等から、決済事業の税引前利益は前年同期比32.0%増となりました。マーケティング事業では、決済事業との連携強化を図るDG FinTech Shift体制への戦略的な移行を実施し、37.5%の減益となりましたが、PSセグメント合計では、1,502百万円(前年同期比23.7%増)と、通期計画である15%以上の成長に向けて順調な進捗となりました。

 ロングタームインキュベーション(以下、LTI)では、当社グループの中長期的な成長を牽引する新規事業への先行投資を継続していますが、B2B向けカード決済や次世代不動産取引のDXエンゲージメントプラットフォーム「Musubell」をはじめとした新たな事業において成果が出始めています。

 また、グローバル投資インキュベーション(以下、GII)では、当第1四半期に日本での上場株式の売却やファンドからの分配金収入により22億円の投資事業収入を創出、あわせて当第1四半期では投資残高が引き続き堅調を維持し、中期経営計画の初年度として順調な滑り出しとなりました。

 以下が2024年3月期第1四半期の「決算ハイライト」のスライドです。

 詳細は、以下のスライドをご覧ください。

Ⅱ. DGグループ Fintech事業の中核を担うDGFTの事業概要とアップデート

 インターネット黎明期よりコンビニ等でのEコマース決済を軸に現金決済をDX化してきたイーコンテクスト社と、クレジットカードを軸にEコマース決済をDX化してきたベリトランス社の2社が統合し、2021年に国内最大規模の決済事業者となるDGフィナンシャルテクノロジー(以下、DGFT)が始動しました。「未来を、決済からデザインする。」をスローガンに、さまざまな決済関連事業とデータ活用事業を、最新のテクノロジーを用いて展開しています。以下に事業と新たな取り組みをご紹介します。

 2023年3月期ベースで、決済取扱高は5兆円を超え、決済取扱件数は10億件に迫る規模まで拡大し、国内における主要プレイヤーの1社となるまで成長してきました。事業者の成長を多角的に支援するため、決済代行事業に加え、マーケティングツールや不正検知ソリューション等も展開しています。

 また、社会インフラである決済システムを安定稼働させるために、他社に先駆けて独自のシステムを構築し運用しています。データセンター間で1-10秒ごとに双方向にデータを同期し、片方でシステム障害が発生した際もダウンタイムなく稼働できるシステム設計に加え、日本とインドの二拠点体制による24時間365日のシステム運用・監視体制を構築しています。大手金融機関と同等のセキュリティ・運用体制と、最新技術を合わせ持った日本を代表する決済システムとして評価されていると自負しています。

 DGFTの事業成長を加速させるため、着実なオーガニック成長に加え、大手クレジットカードやPOSシステムの最大手、また銀行グループ等、各業界を代表する企業と提携し、営業体制の増強や新規サービスの開発を推進しています。以下に、資本業務提携先に加えパートナー企業群を記します。

 新たな取り組みとしては、DGグループの決済事業をベースに戦略事業や新しいプロダクトを続々と準備しています。新型コロナウイルスの収束を受け、インバウンド/アウトバンドが復活し、また越境ECのニーズも高まっている現在、国を超えての決済機能の提供に向けた<Global Payment Orchestration>を開発中です。過去20年以上の海外PSPとのネットワーキングの一環として、すでにグローバルな有力PSPと接続しているシステム資産を最大限活用していきます。

 以下の概要をご覧ください。

 一方、生活者のライフスタイルや決済手段の多様化に合わせ、新たなFintechプロダクトもローンチしました。「CloudPay Neo」は、各クレジットカードやPayPay、au Pay、Apple Pay、Alipay等さまざまな決済手段に対応する、決済の専用端末もシステム開発も不要な次世代キャッシュレス決済サービスです。

 「CloudPay Neo」は、QRコードを設置するだけで簡単に導入できることから、従来DGFTの決済システムを多く導入してきた飲食・小売店舗だけでなく、出張・訪問サービスやイベント等での利用にも適しています。また、決済の専用端末が不要なため、災害・停電等でも活用できることが見込まれ、社会インフラとしての役目を果たせるシステムです。

 先行コストがかからないサービスであることから、すでに多くの企業やカード会社からご相談をいただいており、社会からの強いニーズを感じています。また今後、銀行、コンビニ、後払い決済の決済手段を追加する等、機能拡充を予定しています。

 日本では、2022年に100兆円を超えたキャッシュレス決済市場ではありますが、キャッシュレス比率は現状36%にとどまり、6割程度の欧米に比べると成長余地がまだ大きい市場です。DGグループは「DG FinTech Shift」戦略を軸に、お金の流れをスムーズにする簡便でフリクションレスな決済・金融サービス群を提供することで、顧客体験の向上と日本のDX推進を支援していきます。

Ⅲ. 戦略的イニシアチブと次世代新規育成事業のOverview

 下のスライドにあるように、当社グループは、スライドの右最下段に示している<【Ⅰ】決済プラットフォームの継続的な育成>と左手上段の新しいテクノロジーを活用した<【Ⅱ】非連続事業の育成>に、引き続き精力的に取り組んでいます。

 まず、<【Ⅰ】決済プラットフォームの継続的な育成>のキードライバーとして、ここ数年、次世代戦略事業として注力してきた不動産業界に特化したバーティカルSaaS事業「Musubell」です。2020年に不動産契約一元管理サービスを開始してから、新築分譲マンション、売買仲介、物件調査まで、国内最大級の不動産に特化した販売・契約支援クラウドサービスを提供しています。8月には、業界を代表する大手不動産サービス事業者と連携するパートナープログラムを開始し、Open Innovationによる業界全体のDXを推進しています。

 「Musubell」は、順調に国内最大級の<次世代不動産取引のDXエンゲージメントプラットフォーム>に成長し、今後数年で、日本を代表する不動産業界のデファクトスタンダードを目指していきます。さらに、その周辺に生まれる住宅ローン、保険、情報インフラ、生活インフラ等の関連事業会社と連携し、長期視点でのLTVの向上に貢献していきます。

 次に、<【Ⅱ】非連続事業の育成>における注力事業のひとつである「Crypto Garage」です。暗号資産交換業社として、法人向けデジタルアセット金融事業やweb3事業を推進しています。暗号資産には光と影の部分があるように思いますが、影の部分が注目されていた時代から、web3と連携しながらこの新しいテクノロジーを活用しようとしているステージに変わりつつあるように感じます。日本でも自民党デジタル社会推進本部や日本銀行、金融庁が連携し、web3を国家戦略の軸として、世界の中でリードし始めているように感じます。ステーブルコインを電子決済手段と定義した改正資金決済法が本年6月1日に施行されたのも、その一端でしょう。

 また、世界中に顧客やファンを有している国内グローバル企業や、漫画やアニメ等の世界有数のIPアセットを有する日本を代表する企業群からも多数ご相談をいただいています。「Crypto Garage」は、<【Ⅱ】非連続事業の育成>の推進エンジンとして、中長期でグローバルな視点で取り組んでいきます。

 スタートアップ育成の取り組みでは、2010年に始動した日本のアクセラレータープログラムの草分けである「Open Network Lab(Onlab)」が、東京都スマートサービス実装促進プロジェクト「Be Smart Tokyo」に採択され、産官学でスタートアップを支援する体制が強固になりました。

 新しいテクノロジーとしてグローバルで注目されているGenerative AI(生成AI)においては、米国のインキュベーションセンター「DG717」を拠点にSTARTUP STUDIO「GenLab」を始動しました。サンフランシスコでweb3のメッカであるDG717は、Generative AIに関しても起業家コミュニティの中心になりつつあります。web3のみならず日米を代表するGenerative AIのスタートアップを支援しながら、次世代のインターネットコミュニティに貢献していきます。

 アカデミアとの取り組みでは、DG共同創業者のJoiが千葉工業大学の第14代学長に就任しました(プレスリリースをご覧ください)。DGでは変わらず、取締役 兼 専務執行役員Chief Architectとして業務を執行しながら、産学連携を強化していきます。DG717を中心に、日本の学生がグローバルに研究開発や起業ができるプログラムも検討していきます。以下スライドの次世代技術領域とスタートアップの取り組みをご覧ください。

 新中期経営計画初年度の第1四半期の滑り出しは順調に進んでおり、今後もさまざまなビジネスパートナーと協業や提携を進めていきます。これからも、激変するテクノロジーの進化を冷静に分析し、インターネットビジネスインキュベーションを通して、最新のテクノロジーを継続的に社会実装していきます。その結果、決済事業をベースとした次世代のグローバルITエコシステムの構築に貢献していきたいと思います。

 株主を含むステークホルダーの皆様におかれましては、より一層のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。