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Investor Relations

CEO Comment Vol.80 『2024.3月期 第2四半期決算サマリー[IFRS](連結)』

好調な決済事業と、投資先公正価値評価損からの反動もあり収益が54%の大幅増

24年3月期 第2四半期累計の連結税引前利益は、前年同期比149億円増の83億円で着地

本日の取締役会の承認を受けて、2024年3月期 第2四半期決算短信[IFRS]を発表しました。

Ⅰ. 2024年3月期 第2四半期決算サマリー

 第2四半期累計期間(以下、2Q累計)の経営成績は、収益22,370百万円(前年同期比53.6%増)、税引前四半期利益は、8,266百万円(前年同期は6,642百万円の損失)となりました。前年同期は、投資先の公正価値評価損により大幅な損失を計上しました。当2Q累計は、当社グループの事業基盤であるプラットフォームソリューション・セグメントの特に決済事業の業績が想定よりも順調に進捗したほか、投資先の公正価値が堅調に推移したことから、大幅な増益となりました。

 まず最初に、セグメント別の概況をご説明いたします。

 【プラットフォームソリューション(PS)セグメント】は、新型コロナウィルス感染症の収束を受け、旅行や外食関連を中心に決済取扱高が伸長したほか、各領域の戦略パートナーとのJV(TDペイメント/東芝テック、ANADG/全日空商事など)により対面決済領域における加盟店開拓や、決済事業のサプライチェーンで不可欠な不正検知サービス事業が伸び、決済事業収益は前年同期比23.3%の増益となりました。さらに、本日発表いたしましたECサイト構築事業や「OpenAPI」の対応開始など、今後も決済事業に直結するソリューションを強化、実装を進めてまいります。マーケティング事業では、前年同期比11.5%の減益となりましたが、決済事業との連携強化を図るべく新たな組織横断体制を構築するなど戦略的な体制移行を実施し、業績は復調傾向にあります。PSセグメント合計では、3,298百万円(前年同期比17.3%増)と、期初の通期見通しである15%以上の成長に向けて順調に進捗しております。

 【ロングタームインキュベーション(LTI)セグメント】は、当社グループの中長期的な成長を牽引する「グループ内新規事業への先行投資」と位置づけております。B2B(事業者間)向け決済領域では、事業パートナーとの取り組みを軸として取扱いが拡大するなどすでに成果が出始めております。また、カカクコムの主力事業である食べログ事業はコロナ前を上回る成長し、新規事業の求人ボックスも順調に事業成長しております。

 【グローバル投資インキュベーション(GII)セグメント】では、国内外の有価証券の売却収入およびファンドからの分配金を含めて25億円の投資事業収入となり、順調な滑り出しとなりました。アーリーステージからの投資を中核としたポートフォリオを有しており、継続的な売却収入を見込んでおります。

 以下が2024年3月期第2四半期の「決算ハイライト」のスライド資料となります。下段の主な事業トピックスの詳細については、次章の【Ⅱ.DG FinTech Shift戦略の進捗】をご参照ください。

 以下に詳細な【連結業績ハイライト – セグメント利益】と【重要指標ハイライト】のスライド資料を掲載しました。

Ⅱ. DG FinTech Shift戦略の進捗

 DGグループのフィンテック事業の中核を担う「DGフィナンシャルテクノロジー(DGFT)」の事業概要についてお伝えいたします。2023年9月期ベースで、決済取扱件数は11億件、決済取扱高は6兆円に迫る規模まで拡大し、国内における主要プレイヤーとして着実に成長し続けております。決済代行事業に加え、新たにECサイト構築・運営支援会社「DGコマース」を設立し、EC事業者の成長を多角的に支援・サポートする体制を強化いたしました。パートナーは日本を代表するEC領域の先端技術集団である「システムインテグレータ社」です。

 【Ⅰ】戦略パートナーとの取り組み、【Ⅱ】事業基盤の強化、【Ⅲ】次世代テクノロジーのそれぞれの領域で戦略的な取り組みを着実に実行しています。 

 詳細につきましては以下スライドをご確認ください。

(1)戦略パートナーとの取り組み/新規事業の進捗
<りそなグループとの取り組み/医療業界>
 提携パートナーとのアライアンスを含め、新たなフィンテック事業の開発を進めております。提携パートナーであるりそなグループと、りそなグループが保有する法人顧客基盤を活用した医療業界向け決済サービスに共同参入いたしました。

 日本の医療費は、2021年度には年間45兆円規模となっていますが、診療費の支払いは依然として現金支払い比率が高く、他産業と比較するとキャッシュレス化が遅れています。本サービスでは、患者と医療機関にアプリケーションを提供し、受診当日の受付から会計業務までをオンラインで管理可能なプラットフォームを構築します。これにより患者の待ち時間を大幅に短縮し、医療従事者の業務負荷も軽減されます。りそなグループの顧客基盤と金融ノウハウに、DGが持つ国内最大級の総合決済プラットフォームとフィンテック領域に関する知見を融合させたサービス開発であり、大手金融機関と決済代行事業者が共同で患者・医療機関向けにサービス開発を行う国内初の取り組みとなります。

<主要カード各社/B2B向け決済>
 B2B向け決済の領域では、「DGFT請求書カード払い」の取扱高も順調に伸長しております。本サービスは、銀行振込の請求書をクレジットカード払いへ切り替えることにより、実質的な支払い期日延長ができるB2B向け決済のフィンテックサービスです。JCBをはじめ、VisaやMasterブランドのカードを発行する、りそなグループダイナースオリコ東急カード、そして、グループ会社カカクコムが運営する「食べログ」といった、多くの法人顧客を持つ戦略パートナーと共に事業を展開しています。B2B向けフィンテックの領域は非常に幅広く、本サービスに加えて様々なプロダクトを準備中です。新たな収益マーケットとして引き続き注力していきます。

 以下スライドで2つの取り組みのマーケット環境や進捗を掲載しましたので、ご確認ください。

(2)事業基盤の強化/ECビジネス戦略事業会社の設立
 日本初のECパッケージ開発会社で、ECシステム事業のパイオニアである1995年創業の株式会社システムインテグレータのECサイト構築事業部門を当社子会社として合弁化し、ECビジネス戦略事業会社「DGコマース」の設立を本日発表いたしました。

 システムインテグレータ社のECサイト構築事業は、オムニチャネル、越境ECなど、さまざまなネットビジネスを支える最新のEC基盤や技術を保有しており、累計で約1,100件の導入実績があります。一方DGは、決済代行事業領域での強みに加え、EC事業者向けのマーケティングツールや不正検知ソリューション、顧客行動や購買データ等の分析・活用など、ECビジネスに関するあらゆる活動を効果的に支援する事が可能です。さらに、DGが得意とする最先端のweb3やブロックチェーン、人工知能(AI)といったテクノロジーをかけ合わせた最先端のECサイト構築ソリューションを提供していきます。また、新会社ではすでに開発実装中である「OpenAPI」対応の次世代決済APIもあわせて提供します。これにより、ECサイトの決済サービス導入の開発期間は10分の1から15分の1程度(当社比)となり、劇的な期間の短縮を実現します。今回提携したシステムインテグレータ社のカンパニービジョンは「ソフトウェアの力で、時間を創り出す」であり、まさに「OpenAPI」を活用したイノベーションにおける最適なパートナーだと考えています。

 当社の主力業務である決済代行事業とデジタルマーケティング事業をブリッジングし、さらにEC事業者向けマーケティングツールの提供(NaviPlus)や、不正検知ソリューションの開発と販売等(Scudetto)などとシームレスに連携することで、新たな次世代型EC開発機能を実装することができました。インドや国内の運用サポートセンターも加え、数十兆円規模の取扱高を実現する基盤が整ったと認識しています。

 以下に「DGコマース」を起点としたグループのソリューション体制と機能を整理しました。ご覧ください。

(3)次世代テクノロジー/暗号資産関連事業
 次世代テクノロジーの暗号資産事業での取り組みも進展をしております。野村グループがデジタルアセットカストディサービスを提供する「Komainu社」に出資を行い、当社子会社のCrypto Garage(東京短資、野村HDとのJV)とKomainu社にて資本提携契約を締結いたしました。

 暗号資産市場は、市場ボラティリティが大きく、AML/KYCなど国際的に解決しなければいけない問題がまだまだあります。一方、米国においては、ビットコインETFの承認が近いと言われております。そのため、中長期的に健全な市場形成が見込まれることや、2024年上半期に見込まれるビットコインの半減期といった要素もあり、新たな成長フェーズに入りつつあると認識しています。

 また、web3領域においても、エンターテイメント領域を中心に地に足のついたNFTのユースケースが広がりつつあり、より実用段階に入っていくことが予想されます。一方、国内では2023年6月1日、改正資金決済法等が施行され、ステーブルコインの定義がなされました。これにより、今後ステーブルコインの流通や決済シーンにおける利用が見込まれ、暗号資産にとどまらない広義のデジタルアセット領域の拡大が見込まれつつあります。

 今回のKomainu社との業務提携の位置付けは、デジタルアセット市場の拡大に欠かせない、保全管理(カストディ)機能を提供することにあります。法人顧客を多く抱える野村ホールディングスの子会社であり、同分野におけるリーディングカンパニーのひとつであるKomainu社と、国内において現状唯一のB2B向けのカストディの暗号資産交換事業者ライセンスを持つCrypto Garage社の連携により、日本国内の法人・機関投資家向けに世界最高水準の暗号通貨サービスを提供していくものです。決済事業領域の拡大に向けて、非連続領域である暗号資産分野においても継続的な取り組みを行なってまいります。

Ⅲ. サステナビリティの取り組みと社会実装の軌跡

 DGグループは、2010年に開始した日本初のシードアクセラレータープログラム「Open Network Lab」を通して、これまでに140社を超えるスタートアップを支援してきました。プログラム第1期生である環境データサービスを提供する「Pirika」は、世界100以上の国と地域で市民参加型の環境改善活動を促進した実績などが評価され、環境省が創設した「第1回環境スタートアップ大賞」にて、環境大臣賞を受賞しています。DGグループでは、Pirikaの他にもESGやグリーンテックへの投資を通じ、日本発の環境スタートアップのポートフォリオ化と、グリーンテックに特化した新たなインキュベーターの地位を確立させつつあります。また、10月に実施した「Open Network Lab」のピッチイベントは、当社初のカーボンニュートラルイベントとして、投資先のESGスタートアップと連携し開催しました。さらに、「Open Network Lab・ESG1号 “Earthshotファンド”」を通じて、地球規模での環境変化、社会課題、革新的なイノベーションに対応した投資活動も行っております。

 次世代テクノロジーの社会実装に取り組んできたデジタルガレージとして、グローバル規模で進めているESGの取り組みも、引き続き強化してまいります。

 詳細は、サステナビリティ/Earthshotの取り組みをご覧ください。

 DGグループのサステナビリティ経営を更に強化するために、推進体制を構築し、2023年6月からマテリアリティ(重要課題)の特定プロセスを開始しました。この取組みの進捗につきましては、今後ホームページ等で随時公開していきます。

 次に、DGグループのコンテクストデザインと社会実装の軌跡と、現在の取り組みをご説明させていただきます。

 1995年の創業以来、「持続可能な社会に向けた“新しいコンテクスト”をデザインし、テクノロジーで社会実装する」というパーパスに基づき、様々なフェーズでテクノロジーの社会実装をしてきました。

 図の左側に記載している三角形【Ⅰ】では、インターネットが誕生した初期フェイズの1995年頃、TCP/IP、HTMLといった初期的なテクノロジーを実装し、日本初のホームページの立ち上げやロボット型検索エンジンの社会実装を実現しました。

 【Ⅱ】では、ユーザーの声と、決済や物流を組み合わせることで、先駆的な日本型CGMであるカカクコムや食べログといったバーティカルメディアやEコマースを社会実装し、現在もロングタームインキュベーション(LTI)セグメントの主力事業として業界を牽引しています。

 【Ⅲ】のソーシャルメディア時代には、FacebookやTwitter(現在はX)といった、今では当たり前に使われている準リアルタイムメディアを社会実装しました。

 【Ⅳ】の2016年以降は、ブロックチェーン、AI、xRなど、現在の事業ポートフォリオに繋がる新しいテクノロジーの社会実装を進めてきました。現在は、図の右側にあるGenerative AIやweb3に着目し、このような最先端テクノロジーを決済事業や周辺スタートアップと連携し、連続した事業の育成という取り組みと、非連続事業の育成の両軸を通して、事業としての成長と社会貢献を継続しています。

以下のスライドをご覧ください。

 最後に、現在の取り組みに関してご説明差し上げます。新しいテクノロジーとして世界で注目されているGenerative AI(生成AI)に関する取り組みも、米国・サンフランシスコのインキュベーションセンター「DG717」を中心に進めております。

 「DG717」を拠点としたSTARTUP STUDIO「GenLab」は、2023年6月に始動し、Generative AIや周辺技術で新たな価値を生み出すスタートアップに多角的な支援を行なっています。また、9月に開催した「Generative AI Hackathon」はGenerative AIを使い、イノベーティブなソフトウェアやサービスの開発を集中的に行うもので、初回は、エンジニアやデザイナーなど、約100名が参加しました。その成果としては、スピーチ中の声量やイントネーションから感情を読み取り、より良い話し方を提示するシステムや、より適切かつ迅速に企業の採用を支援するサービスなどが新たに開発されました。第2回の「Generative AI Hackathon」は11月15日から「DG717」にて開催する予定です。

 さらに「DG717」で11月17日に開催する「THE NEW CONTEXT CONFERENCE San Francisco 2023 Fall『Building Useful and Trustworthy AI』」では、「信頼性の⾼いAIをどのように社会実装していくべきか」「AIのレギュレーションはどうあるべきか」「⼤規模⾔語モデル(LLM)以外のアプローチをとるAIとの組み合わせ技術」など、様々な論点を多数の有識者と考えていきます。イベントの内容は後日アーカイブとして公開予定ですので、是非ご覧ください。

 DGは、シリコンバレーの起業家やエンジニアらと共に、20年以上かけて構築したグローバルインキュベーションストリームをベースに、日本、米国東海岸、ヨーロッパなどの企業も参加するコミュニティの構築をめざしてまいります。

 「新中期経営計画」の初年度となる本年度は、第2四半期も順調に進行しております。この先も、激変するテクノロジーの進化を冷静に分析し、インターネットビジネスインキュベーションに貢献することで、最新のテクノロジーを継続的に社会実装し、決済事業をベースとした次世代のグローバルITエコシステムの構築に貢献していく所存です。

 ステークホルダーの皆様には、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。