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Investor Relations

CEO Comment Vol.85 『2026.3月期 第3四半期決算サマリー[IFRS](連結)』

KDDIグループとの次世代決済プラットフォームが始動

< 来期に向け、中長期的な企業価値向上に向けた基盤再構築に着手 >

本日の取締役会の承認を受けて、2026年3月期第3四半期決算を発表しました。

Ⅰ.  2026年3月期 第3四半期決算サマリー

2026年3月期3Q累計の連結税引前利益は、4,559百万円となり、前年同期比で+12,151百万円増加しました。これは主に、グローバル投資インキュベーション(GII)セグメントにおいて前年同期に計上したキャッシュアウトを伴わない投資評価損の反動等によるものです。セグメント別の概況は次の通りです。

決済プラットフォームを軸としたプラットフォームソリューション(PS)セグメントでは、マーケティング事業が好調を維持した一方、決済事業においては、決済取扱高が14%、税引前利益の成長率は4.7%となりました。なお、PSセグメントにおいては、短期的業績として成長率が一桁で表される局面にあります。これについては、以下の3点が重なったことによる経過的事象と認識しています。

  1. 急成長期にあった初期案件が一巡した
  2. 中長期的視点から、低マージン案件や例外対応(システム改修を伴う)を意図的に抑制している
  3. 大型案件(NESTA等)が本格的に業績へ寄与する前の立ち上がり期である

以下、戦略パートナー(①KDDIグループ / ②りそなグループ)との協業の進捗を記載します。

① KDDIグループとの協業の進捗

当社とauフィナンシャルサービス株式会社(KDDIグループ)の業務提携契約(2024年5月)のもと、共同開発を進めてきた次世代決済プラットフォーム「NESTA」について、au/UQ mobile通信料金の決済処理へのサービス提供開始を本日付けで共同で発表しました。年間数兆円規模の決済取扱高の処理へ向け2025年12月にサービス導入完了、安定稼働確認フェーズを経て、このたびの共同発表に至りました

DGFTとauフィナンシャルサービスは、今後相互に連携し、KDDIグループのさまざまなサービスおよびKDDIグループ以外の企業さまへ決済システム「NESTA」の展開を推進します。

また、デジタルガレージグループとauフィナンシャルサービスは中長期的な事業拡大へ向けた、新たな決済サービスの共同開発の協業を加速させ、双方の経営資源や決済領域の知見・機能の融合による幅広い協業を通じ、成長を続けるキャッシュレス市場でのシェア拡大や業界ポジショニングの向上を目指します。

「NESTA」は、DGFTのマルチ決済サービス「VeriTrans4G」を基盤とすることにより国内最高水準のセキュリティ体制を構築、40種類以上の決済に対応し、高性能かつ安定したデータ処理を実現します。

今後の展望について

1.au経済圏内外へ向けた「NESTA」の提供拡大
KDDIグループ内のサービス全体へ向け「NESTA」を提供拡大していき、さらに、au経済圏の枠を超え、KDDIグループ以外の法人企業への展開も予定しています。

2.共創連携による新たなビジネスの共同開発 
当社グループとauフィナンシャルサービスは、中長期的な事業拡大を見据えた、新たな決済サービスの共同開発の協業を推進します。また、「NESTA」の展開に続く次の協業として、アクワイアリングシステムの展開を推進していきます。

さらに、共同営業体制を強化し、相互の経営資源や決済領域の知見の融合により、決済/金融領域での協業を加速します。具体的にはau経済圏および、経済圏外への新規商品共同営業を推進し、従来から進めている人員交流についても当社からの出向を大幅に増員するなど、より一体化した営業体制を構築します。

また、次世代事業の創出へと昇華させていくべく、当社からKDDIグループのさまざまなサービスと連携したプラットフォームビジネスなどの提案を推進します。

デジタルガレージグループは、現代社会を支えるインフラの核心─「通信」と「決済」のクロスポイントを捉え、単なる機能強化にとどまらず、新たな価値を提供する革新的ビジネスを創出していきます。

以下、auフィナンシャルサービスとの提携の進捗についてのスライドです。

② りそなHDとの提携の進捗

戦略パートナーであるりそなグループとは、2022年/2025年の資本業務提携を経て、東京・大阪を軸に決済事業面の推進と戦略的人材交流による一体運営の強化、また、以下のような戦略事業群を着実に実施・準備中です。

• 全支店でのPSPビジネスの共同営業と顧客DX化支援
• 共同CVCファンドを通じた次世代Fintechスタートアップ投資
• レガシー型決済端末の次世代仕様となる、アプリケーション型の決済サービスの共同開発
• 大手銀行最大級の顧客を抱えるSME向けBaaS/デジタル金融事業のビジネスデザイン
(デジタル金融領域では合弁会社による、SME向け金融サービスの最終企画段階にあります。このプロジェクトも適切な時期に開示してまいります。)

以下、りそなグループとの協業についてのスライドです。

ロングタームインキュベーション(LTI)セグメントでは、戦略事業である国内最大級のアプリ外決済 「アプリペイ」や国内最大級の不動産DX「Musubell」が成長を続け、事業損失が縮小した結果、税引前利益は+26%増となりました。

グローバル投資インキュベーション(GII)セグメントでは、中期経営計画の目標「投資事業収入300億円」の達成に向け、投資ポートフォリオの売却・オフバランス化を継続して推進しています。現在の進捗率は50%強ですが、目標達成に向け、国内大手投資プレイヤーに続き、大手グローバル投資プレイヤーとの交渉を開始しています。

Ⅱ.  中長期的な企業価値向上に向けた取組み 

当社は、各戦略パートナーとの協業や、短期的ないわゆる足元の業績構築とあわせ、中長期的な企業価値向上へ向けた構造的な見直しに取り組み、取締役会レベルでの議論を進めています。具体的には、これまでの事業構成や資本のあり方について、複数の選択肢を比較・検討する段階にあります。

当社は現在、決済取扱高を積み上げる成長から、収益性と再現性を伴う成長へと「成長の型」を切り替える過渡期にあります。その視点から、例外的なディスカウント案件の抑制や、オペレーションコストの高い案件の整理を進め、営業利益および営業利益率を意識した案件選別を行っています。

また、auフィナンシャルサービス(KDDIグループ)との取り組みについては、現段階では短期的な売上・利益への寄与よりも、運用の安定性と品質確立を優先しています。従って、収益への貢献は段階的に顕在化していく見込みであり、以降のフェーズでPSセグメントの成長率を押し上げるものと考えています。

現在の当社に関しては、戦略パートナーとの協業深化、決済を起点としたマーケティングソリューションの高度化、そしてGEOを含むAI検索時代への取り組みを通じて、“決済を処理するだけの会社”から、“決済を起点に産業を再設計する会社”へと進化をとげようとしています。
短期的な成長率のみで中長期の方向性を判断いただくのではなく、AI時代の次世代エコシステムを創出する構造変化にも目を向けていただきたいと考えております。

当社は今後も、

• 事業の単純化
• 実行力の強化
• 将来に向けた成長余地の確保

この3点を重視し、短期的な評価に左右されることなく、慎重かつ着実な判断を行っていきます。また、これらの検討状況については、適切なタイミングで開示してまいります。

III.  次世代テクノロジーへの取り組みとハイライト

生成AIやブロックチェーンなどの新たなテクノロジーの勃興により、ビジネス環境が大きく変わろうとしています。以下のような次世代事業への進化も怠りなく準備しております。

①「DG AI Drive GEO」

デジタルガレージと、デジタルビジネスの総合支援ビジネスを展開する、DGビジネステクノロジー(DGBT)の共同開発により、「AIが商品を選び、決済する」エージェンティックコマース時代へ向けた、決済までシームレスに連携するAI検索最適化(GEO)支援サービスの提供を開始しました。

②「Cloud Payシリーズ」を活用した決済を起点とした次世代マーケティングソリューションの開発

DGFTが提供する共通QRコード決済ソリューション「Cloud Payシリーズ」は、世界最大級の決済プラットフォームである「Square」連携に始まり、自動販売機、駐車場、コインランドリー、アミューズメント施設といったIoT市場へ導入拡大しております。今回、イオンファンタジーの取り組みでQRコードでの決済を起点とした次世代マーケティングソリューションの本格展開が始まりました。

③「ステーブルコイン決済の社会実装に向けた検討を開始」

2026年1月、デジタルガレージ、JCB、りそなHDとともにステーブルコイン決済の社会実装に向けた協業を開始することで合意しました。DGFT単独でステーブルコイン決済の実装を準備しています。また、送金コストの視点やインバウンド領域でこのテクノロジーの活用は多岐にわたるメリットをもたらすと期待されています。実務上の課題解決と、日本市場に適合した新たなビジネスモデルの構築へ向け、実証実験の実施に向けた取組みを3社で進めていく予定です。

当期は、初めて他社に決済エンジンのOEMを提供し始めた期であり、また、EC事業者の視点でみると、AIの登場がもらたす検索エンジン最適化(SEO)から生成AI最適化(GEO)の劇的変化が進行中であり、また、ブロックチェーンテクノロジーが送金やデータ管理を劇的に変えていく過渡期と認識しています。これらの環境に向けてグループの事業構造やビジネス全体の最適化に向けた、基盤再構築の年と認識しています。

ステークホルダーの皆様には、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。