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CEO Comment Vol.86 『2026.3月期決算サマリー[IFRS](連結)』
新中期経営計画に向けたグランドデザインと4つの実行原則
本日、取締役会の承認を受けて、2026年3月期決算短信[IFRS]を発表しました。
まず、2026年3月期の決算サマリーについてご説明します。
以下のスライドをご覧ください。

2026年3月期の連結税引前利益は30億円となり、前期比で132億円増加しました。これは主に、前期に計上した投資評価損の反動等によるものです。
PSセグメントでは、金融マーケティング事業が堅調に推移した一方、主軸である決済事業は期初計画を下回り、税引前利益の成長率は前期比3.6%となりました。一部大型加盟店の離反や競争環境の変化、また当社自身の組織運営・マネジメント体制における課題については、真摯に受け止めています。
一方で、KDDIグループ向けの次世代決済プラットフォーム「NESTA」は予定通り第1フェーズをローンチしました。また、東芝テックとの連携、QRコード決済の拡大、さらに「Cloud Pay」を基盤とした次世代DXソリューション「Cloud Payビジネス」も始動しており、今後の成長に向けた取り組みは着実に進捗しています。
LTIセグメントでは、複数の戦略事業が収益化フェーズへ移行し、事業損失が縮小しました。「アプリペイ」はグローバル対応を本格化し、「Musubell」も大手デベロッパーを含む170社超へ導入が進んでいます。
さらに、りそなグループとの資本業務提携に基づく「DG Bank Project(仮称)」では、中小企業向けに、決済・資金管理・信用供与・データ活用を一体で支える金融オーケストレーション基盤の構築を進めています。これは、当社が次の成長領域として位置づける、決済と金融を融合した新たなFinInfraの中核となる取り組みです。
GIIセグメントでは、現中期経営計画で掲げた投資事業収入300億円以上の目標に対し、これまで累計157億円まで進捗しました。加えて、本日発表したIon Pacific社との戦略提携を通じて、投資ポートフォリオのオフバランス化と資産循環型モデルへの転換を進め、目標の早期達成を見込んでいます。
この提携の本質は、単なる投資資産の売却ではありません。営業投資有価証券の公正価値変動や為替変動に起因する業績ボラティリティを抑制し、より安定した経営基盤へ移行することにあります。これにより、決済・金融・データ・AIといった中核領域へ、経営資源をより集中させていきます。
次に、現中期経営計画の進捗と、新中期経営計画への移行についてご説明します。
2日前の5月12日には、EQTおよび当社が組成するコンソーシアムによる、株式会社カカクコムの株式公開買付け開始について開示しました。そして本日は、Ion Pacific社との戦略提携を発表しました。
つまり、メディア事業の戦略的再編と、投資事業のオフバランス化という、2つの大きな施策を同時に進めているということです。
これらは単なる事業整理ではありません。デジタルガレージが次の成長フェーズへ移行するための重要な布石です。
現中期経営計画では、投資事業収入300億円以上、株主還元100億円以上という目標について、達成が視野に入っています。
一方で、税引前利益成長率や決済取扱高については、当初計画に対してビハインドしている部分があります。この点については、マネジメント体制の強化とグループ戦略の見直しを通じて、決済事業の収益力強化に取り組んでいます。
決済事業については、KDDIグループや東芝テック向けの大型案件、QRコード決済の拡大が順調に進んでいます。また、りそなグループとの提携によるDG Bank構想も計画通り始動しています。
投資事業については、Ion Pacific社との戦略提携により、300億円の目標を早期達成する見通しです。さらに、オフバランス化を通じて、業績ボラティリティを抑えた安定的な経営基盤への移行を進めます。
株主還元についても、これまで記念配当を含め3年累計で65億円の配当を実施してきました。今回のオフバランス化によるキャッシュ創出も踏まえ、100億円の目標についても前倒しでの達成を見込んでいます。
このように、現中期経営計画はすべてが計画通りに進んでいるわけではありません。しかし、メディア事業の戦略的再編、投資事業のオフバランス化、そして決済・金融を中心とした成長基盤の再構築という観点では、次の中期経営計画へ移行するための土台が整いつつあります。
以下、現中計の進捗と新中計への移行についてのスライドです。

新中期経営計画に向けた基本方針は明確です。
DG第二創業に向けて、事業ポートフォリオの再編を通じ、次世代成長領域への集中を推進していきます。
ここで申し上げる第二創業とは、単に新しい事業を始めるという意味ではありません。これまで当社が培ってきた、決済、データ、メディア、投資、インキュベーションの機能を、AI時代に合わせて再配置し、デジタルガレージを次の成長ステージへ移行させるという意味です。
そのための実行原則を、以下の通り4つに整理しています。

1つ目は、Strategic Reorganizationです。
カカクコムの中立性・公共性・独立性を維持しながら、AI時代に必要となる長期投資を可能にする資本構成を追求していきます。本件は単なる持分売却ではなく、メディア事業の価値を次のフェーズに引き上げるための戦略的再編です。また、少数株主の皆様に対しても、公正なプレミアムを踏まえた選択機会を提供することを重視しています。

2つ目は、Stabilizationです。
投資事業について、これまでのバランスシートを活用した直接保有型モデルから、セカンダリーや共同ファンドを活用した資産循環型モデルへ進化させます。これにより、投資収益を獲得しながらも、業績ボラティリティを抑え、より安定した経営基盤を実現していきます。

3つ目は、Focused Investmentです。
DGFTを中心とした決済事業、そしてDG Bank構想を通じて、決済と金融を融合した次世代の金融インフラを構築していきます。さらに、AI、データ、オーケストレーション領域にも投資し、中小企業や各産業のDXを支える基盤をつくっていきます。

4つ目は、Capital Disciplineです。
財務健全性を確保しながら、IRRを意識した成長投資を行い、同時に株主還元も機動的に実施していきます。成長投資、財務安定性、株主還元の3つを、規律ある資本配分の中で両立させていく方針です。

この4つの原則は、それぞれ独立した施策ではありません。
カカクコムの戦略的再編により、メディア事業の長期成長基盤を整える。Ion Pacific社との提携により、投資事業をオフバランス化し、経営基盤を安定化させる。そして、その資本と経営資源を、DG Bankを含む決済・金融・AI/Data領域へ集中投下していく。
この一連の流れが、新中期経営計画に向けた当社の基本的な考え方です。当期中を目途に新中期経営計画の公表を予定しています。
最後に、DG Group New Contextについてご説明します。以下スライドをご覧ください。

当社はこれまで、「Context Company」という考え方のもと、広告、メディア、インキュベーションを中心に、新しいインターネット産業やコミュニティを生み出してきました。
そして現在は、決済、金融、データ、AIを軸に、社会インフラそのものを支えるフェーズへ移行しています。
これからのデジタルガレージは、単なる事業会社の集合体ではなく、決済、データ、商流の流れ、すなわち「社会のFlow」を設計・支援する企業グループへ進化していきます。
その方向性を、
FinInfra × DataOS × Vertical Ecosystem
という新たなグループコンセプトで整理しました。
一番下のレイヤーは、Execution Domain / Financial Infrastructureです。
DGFTを中心とした決済・金融インフラの実行基盤であり、決済、送金、加盟店ネットワーク、B2B決済、データ処理など、社会の商流とお金の流れを支える中核機能を担います。
真ん中のレイヤーは、Orchestration Domain / Vertical Context Platformです。
決済、与信、データ、DX、メディア、マーケティングなど、DGグループが持つ機能を組み合わせ、不動産、外食、EC、IP、データ金融など、各産業ごとの経営課題を解決する産業別プラットフォームを構築していきます。
そして一番上のレイヤーは、First Penguin Domain/ Future Technologyです。
DG Bank、AI Agent、Stable Coin、次世代金融、オーケストレーション技術など、未来世代のテクノロジーや新産業への投資・事業開発を行っていきます。
デジタルガレージはこれまでも、常に少し早い未来へ挑戦してきました。今後も、安定的なFinancial Infrastructureを土台に、産業別のVertical Platformを重ね、その上に次世代技術への挑戦を積み上げる3層構造で成長していきます。
今回の中期経営計画アップデートは、単なる事業計画の見直しではありません。
デジタルガレージが、次の10年に向けて、決済・データ・金融・AIを軸に、社会のFlowを支える企業グループへ進化していくための、新しい設計図です。
デジタルガレージはこれからも、変化の少し先に立ちながら、持続可能な社会に向けた”新しいコンテクスト”をデザインし、テクノロジーで社会実装していきます。
ステークホルダーの皆様には、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。